2022/08/12「みちくさ部」
先日8月12日(金)、北鎌倉 たからの庭で毎月開催されている「みちくさ部」に三年半ぶりの参加をしてまいりました。
※野草の採集は、講師のご指導のもとに行っています。許可のない採集はくれぐれもご遠慮ください。
アスター属のカントウヨメナ。実の毛が長いかどうかでヨメナかカントウヨメナかを見分けるといいます。カントウヨメナの冠毛はタンポポと違い、風に飛ぶことはないそう。
上向きに咲く花はどんな昆虫でもウェルカム。ハエの仲間も訪れます。一方、下向きに咲く花はハチなどしか蜜を吸えません。
セリと似たドクゼリという植物もあるので要注意。ニンジンのような太い根があるそう。毒があるかどうかを調べるときは、ネットやSNSを鵜呑みにしないようにしましょうと部長が注意喚起。
トウダイグサ科のエノキグサ。
アサ科のエノキに葉脈が似ているため名付けられた。
ポインセチアと近い仲間ですが、上に花が咲くポインセチアと違って、茎の途中に花が付きます。地味ながら造形がおもしろい花で、ハートの付け根にあるのが雌花、飛び出ているのが雄花です。雌花と雄花は時間差で咲き、自家受粉を避けます。
C4植物のメヒシバは強い日差しに強く、明るい場所に生えます。
メヒシバと比べて太いのがオヒシバ。
田んぼによく生えるイヌビエ。ヒエの原種で、縄文時代から食べられていたそう。
絶滅危惧種のトキホコリ。土中の水分だけでなく、空気中の湿気もないと枯れてしまうため、湿気の多い鎌倉は最適。
葉は左右非対称で、外側が広く、内側が狭くなっています。同じ平面に重ならないよう葉を広げるための工夫です。
葉は透明感があり、潰すと水分が弾け飛ぶほど。
地下茎から直接花が咲くミョウガ。
ヤブミョウガの葉はザラザラひっかかる感触ですが、ミョウガの葉はツルツルすべすべです。
カラムシは茎の繊維から布が作れます。
川辺に多いフジバカマと違って、ヒヨドリバナは山に生えます。
キク科らしく、小さな花が集まってひとつの花を成しており、それがさらに集まってひとつの花に見えます。花弁はなく、頭状花だけでできています。
フジバカマは葉に大きな切れ込みがありますが、ヒヨドリバナにはありません。
節をイノシシの膝に見立ててイノコヅチと名付けられたそう。
成長が早く、黄葉もきれいなため植木として人気が高いイヌビワ。
イヌビワコバチと共生して実をつけます。こちらはおそらく雄花だそう。
天敵の入れない鬱蒼とした森が多いため、鎌倉で殖えてしまっているというタイワンリス。
柑橘類が好きで、木の皮を食べてしまうそう。
ガクアジサイは葉がテカテカしているが、タマアジサイは葉がジョリジョリしている。
タマアジサイの花は下から順番に時間差で一ヶ月くらいかけて咲きます。虫に来てもらうためには、サクラのように一気に咲くという手もありますが、タマアジサイは長く咲くという戦略をとっています。
タマアジサイは山の谷間に特異的に生える植物で、土らしい土のない岩の上にも生えることができるそう。
萌芽力が高く、崖でも生き残ることができる。
タマアジサイの種は埃のように小さく、ほとんど栄養を蓄えていません。競争力の高い地面の上では生き残ることができませんが、苔の中に落ちると、そこで芽を出すことができるそう。
イラクサには注射針のような棘があり、蟻酸という毒を持っています。刺されると二時間くらいは痛いそう。
最近は鹿が増えすぎてイラクサまで食べるようになり、対抗してトゲの強いイラクサが増えているといいます。
キツネノマゴ科のハグロソウ。ギリシャのレリーフになっているアカンサスなどの仲間です。湿っぽい環境を好み、高尾山に多く生えているそう。
苞が特徴的な形をしています。
最近鎌倉の森が放置されてエノキの朽ち木が増えているため、それを食べるヤマトタマムシも増えているそう。
●葛原岡ハイキングコース