3月26日、365日野草生活®のんさん、帰化植物見本園ボランティアの塩崎さん主催の「野草さんぽ@帰化植物見本園~あの花も?この花も?春の帰化植物を知ろう~」が開催されました。
あいにくの天気でしたが、帰化植物園の春を見に、三度目の参加をしてまいりました!
前回↓
前々回↓
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【エリア1】


キンポウゲ科。黄色くてツヤツヤの花が咲き、別名をバターカップというそう。ニリンソウなどの例外を除き、キンポウゲ科には基本的に毒があるので気をつけなければならないとのこと。
フウロソウ科。北アメリカ原産。今回は昨日アメリカフウロをニリンソウと間違えて食べようとした方が参加しており、のんさんから食べる前に観察することの大切さを教わりました。植物の見分けには、形態の観察ももちろん大事ですが、生えている環境を判断材料にするのが重要だといいます。ニリンソウは林床に生えており、アメリカフウロは道端に生えていますね。★
イモカタバミとオオキバナカタバミの葉の違いを教わりました。花がないときの見分け方を知らなかったので、葉にもちゃんと違いがあるんだと感動しました。
カタバミ科。南アメリカ原産。ハートの切れ込み部分に黒い点がある。★
カタバミ類にはシュウ酸が含まれているので、10円玉のサビがとれる。属名のオキザリスは酸性という意味だそう。
マメ科。ヨーロッパ原産。カタバミ類の隣には、よく混同されるクローバー類が植わっていました。牧草として入ってきたそう。★
マメ科。中央アジア原産。別名スイートクローバー。クマリンが含まれており、乾燥させると桜餅の匂いがする。桜の葉を食べさせて育てたモモスズメの糞茶(リンク先左)も同じ匂いがします。前回持ち帰らせていただいてポプリにしました。
品川区役所では、外来種にもかかわらず大切に栽培されているそう。
セリ科。ヨーロッパ原産。
【エリア2】
アブラナ科。地中海沿岸原産。ルッコラのこと。ゴマ油のようなスパイシーな香りがする。赤紫色の筋が入る花弁が特徴的。
アブラナ科。中国原産。アラセイトウとはストックの和名だそう。別名ショカツサイ。諸葛孔明が野菜として推奨したことから名付けられたそう。★


アブラナ科。南ヨーロッパ原産。ちょうど都市緑化植物園に植えられていました。現在流通しているのは八重咲きのものが主なので、あまり似ていませんね。ストックがオオアラセイトウよりも前に日本に持ち込まれていたとは驚きです。
【エリア3】
シソ科。ヨーロッパ原産。葉を踊り子の笠や衣装に見立てた日本原産のオドリコソウから名付けられた。★
シソ科。ヨーロッパ原産。チョロギと違って根茎は肥大しないそう。
オオバコ科。西アジア原産。犬の陰嚢を意味する名前を持つ日本原産のイヌノフグリから名付けられた。オオの方の実はそんなに犬の金玉っぽくない。★
オオバコ科。ヨーロッパ原産。小石川植物園から逸出したといわれているそう。のんさん曰くオオイヌノフグリとは「全くフグリ感が違う」。よく見ると実がさらにふたつに分かれている。もふもふしていて猫の金玉っぽい。
オオイヌノフグリは日向に生えるが、コゴメイヌノフグリは日陰に生え、ニッチを分けているそう。
シソ科。地中海沿岸原産。オレガノのこと。日本ではお洒落なハーブとして親しまれているが、こうやってみると雑草。★
【エリア4】
ナデシコ科。ヨーロッパ原産。
【エリア5】
バラ科。ヨーロッパ原産。
キク科。南ヨーロッパ原産。園芸種として親しまれている。
ネギ科。北アメリカ原産。一方ハタケニラはニラの匂いがしない。ハタケニラの葉は地面から平べったく生えるが、ニラは地面から茎が立ち上がり、膜で覆われているそう。★


キク科。ヨーロッパ原産。★


フウロソウ科。ユーラシア原産。




フウロソウ科。ヨーロッパ原産。
フウロソウ科の仲間たち。日本原産ではゲンノショウコ、園芸種ではゼラニウムなどが仲間。
【エリア6】


アブラナ科。海岸性だが、内陸にも多く進出している。大根が野生化したものと長く考えられていたが、近年そうではないことがわかってきたそう。
全草可食できる。葉は生だとゴワゴワしているが、塩崎さんいわく火を通すと案外柔らかくなるそう。花も美味しいので、エディブルフラワーとして有用だそう。
イモムシみたいな形の実ができる。サヤは水に浮くので、それを利用して種子散布をしているのではないかとのこと。★
アブラナ科。アジア原産。




アマ科。中央アジア原産。亜麻というと亜麻色を想起するが、あれはアマから取れた繊維の色だそう。アマの花は鮮やかな水色。属名のリナムはリネンやラインの語源だそう。
キョウチクトウ科。ヨーロッパ原産。繁殖力が強く、抜いても抜いても生えてくるので、管理するのが大変だそう。安易に地植えしないようにしよう。★
【エリア7】
キク科。アメリカ東南部~メキシコ、西インド諸島原産。帰化植物見本園名物ハマベノキ。何度か台風で折れたが、そのたびひこばえを育てて保っているそう。
ススキノキ科。地中海沿岸~西アジア原産。
ゴマノハグサ科。ヨーロッパ原産。花の時期になると薹がたち、急激に大きくなる。葉っぱはもふもふで、お尻を拭くのにおすすめ。★
シソ科。ヨーロッパ原産。アップルミントのこと。はびこって仕方がないので、塩崎さんに許可を取ればいくらでも持って帰っていいそう。★
前回の帰化植物見本園ツアーで採集したアップルミントをのんさんがお酒に漬けて持ってきてくださり、みんなで試飲しました。生のアップルミントとは違う風味になっており、薬膳酒のような味がしました。
【エリア8】


ケシ科。ヨーロッパ原産。ムラサキケマンに似ているが、葉がより切れ込む。
ケシ科。ヨーロッパ原産。
アブラナ科。ユーラシア原産。葉がクジラの髭のようであることから名付けられた。葉っぱだけ見るととてもアブラナ科には見えない。


アブラナ科。ユーラシア、北アフリカ原産。モデル生物として知られる。『教養悪口本』に「植物だったらゲノム解析されてる」という悪口が載っていた。ナズナと違って根生葉に切れ込みがない。
アブラナ科。ヨーロッパ原産。
アブラナ科。ヨーロッパ原産。クレソンと同じようにスパイシーな味がするそう。
アブラナ科。ヨーロッパ原産。オオアラセイトウに似た花をつけるが、実が円くて平べったいコインのような形をしている。属名のルナリア(月)はここからきている。
オオバコ科。ヨーロッパ原産。★
オオバコ科。熱帯アメリカ原産。


トウダイグサ科。アフリカ北東部。トゲトゲした実の中に、綺麗な模様をした種が三つずつ入っている。猛毒。★
【エリア9】


キク科。オーストラリア原産。カミツレとはカモミールのことだそうだが、こちらはいい匂いがしない。グランドカバーとして利用される。
キク科。アメリカと名に付くがヨーロッパ原産。凶悪なトゲを持ち、引っこ抜くのが大変だそう。★


キク科。ヨーロッパ、南部アフリカ原産。別名マリアアザミ。白い斑をマリア様のお乳に見立てて付けられたそう。こちらも凶悪なトゲ。
キク科。ヨーロッパ原産。別名キバナムギナデシコ。
キク科。ヨーロッパ原産。バラモンギクより葉が細い。根が人参のように肥大するためジンと付くそう。


キク科。ヨーロッパ原産。別名タンポポモドキ。葉に毛がたくさん生えている。★
キク科。地中海沿岸原産。
これはもちろん日本原産。食べたい。★
【エリア10】
キク科。地中海沿岸原産。別名フユシラズというほど丈夫だそう。
【エリア11】
イネ科はのり面緑化のために持ち込まれたものが多いそう。外国から生物を持ち込むときは、侵略性などを充分考慮しなければなりませんね。
また、鳥の餌から逸出したものも多いそう。
イネ科。地中海沿岸原産。一時帰化したが定着せず、現在日本ではおそらくここだけにしかないそう。


イネ科。ヨーロッパ原産。早春はこんなに小さいんだと驚きました。★
【エリア12】


マメ科。地中海沿岸原産。クローバー類と同じく牧草として入ってきた。こんなに小さくてもちゃんとマメ科らしい蝶形花。
マメ科。ヨーロッパ原産。1980年代に千葉にて発見されたが、現在は九州に多く帰化しているそう。
豆というと食べられそうに思ってしまいますが、マメ科植物の多くにはレシチンという毒が含まれており気を付けた方がいいそうです。可食の種であっても過熱した方がいいとのこと。
【エリア13】
アヤメ科。北アメリカ原産。イネ科の葉に似ているが、アヤメ科は葉が平面に重なることから区別できるそう。★
キク科。北アメリカ原産。葉を揉むと独特な匂いがするので、匂いで判断するといいそう。 ★
【エリア14】
イネ科。南アフリカ。


キク科。ヨーロッパ原産。セイヨウタンポポがわざわざ綺麗に並べて植えられている光景すごい。現在在来タンポポとの交雑が進んでいるそう。★


アブラナ科。地中海沿岸原産。
ケシ科。地中海沿岸原産。あれだけ繁殖力の強いナガミヒナゲシも、育てようとすると案外うまくいかないらしい。他の植物に負けてしまっている。★


アブラナ科。ヨーロッパ原産。実が鱗のように密につくそう。マメグンバイナズナに似ている。
オオバコ科。こちらは植えた覚えがないのに生えてきてしまったそう。お隣の都市緑化植物園にも植えてある。かわいいお花はみんな残したがるので、駆除が進まないそう。★
私もうちに生えてきたタカサゴユリを毎年育ててしまいます。実は未熟なうちに切ってしまいますが……
【エリア15】
アヤメ科。南アフリカ原産。野生種ではなく、園芸用に交配された種。繁殖力が強く、各地で大問題になっているそう。★
【エリア15】
キク科。ヨーロッパ原産。去年開花株を盗まれてしまったそう。泥棒はダメ絶対。


アカネ科。東シベリア~中国北部原産。アカネと同じく茎がトゲトゲしており、他の植物にひっかけながら育つ。


アカネ科。ヨーロッパ原産。★


ムラサキ科。北アフリカ原産。ムラサキと違い、根は紫色をしていない。
アマ科。地中海沿岸原産。
アマ科。北アメリカ原産。
アカバナ科。北アメリカ原産。血飛沫のような模様が特徴。ロゼットだけでもそれぞれ違いがあり、この時期それを観察するのも醍醐味のひとつだそう。★
ナデシコ科。ヨーロッパ原産。ムクロジやサイカチなどと同じくサポニンが含まれているため、洗剤として使うことができるそう。


実演してくださいました。


春ですね。
のんさん(@365nitiyasou)シオザキさん(@kamekichi777)主催の帰化植物見本園ツアーに三度目の参加をしてまいりました!
— 長谷川 (@hase2_animal) 2022年3月26日
花の少ない時期ながら、フグリ感比べをしたり、アップルミント酒を試飲したり、サボンソウの泡立ち実験をしたり、盛りだくさんの内容でした! pic.twitter.com/xzIlw9To9X